映画 A GHOST STORY 感想と解説

A GHOST STORY

ども、サニータジマです。

今回は、映画を観て来たので映画の話をしていきたいと思います。

今回観た映画は「A GHOST STORY」です。

ざっくり言うと、若い夫婦の旦那さんが不慮の事故で亡くなってしまいます。

亡くなってしまっても、ゴーストとなってこの世に残り奥さんを愛し続けるお話です。

映画を観る前にネットでレヴューを見て観ると賛否両論で、

「淡々と映画が進みとても退屈、意味がわからなかった」という意見と「2018年のベストムービー、感動した」という意見に分かれていました。

僕も、あまり期待せず観に行ったのです。

せっかく東京まで観に行ってつまらなかったらどうしよう、と思っていましたがはっきり言って

感動しました!観て本当に良かった!

映画を観て人目を憚からず涙を流したのは何年ぶりか?

観る前の予備知識で、旦那さんが亡くなりそれでも愛する奥さんをお想い続ける映画ですから、

あ~こんなの悲しいに決まってるじゃん、お涙頂戴的な映画は苦手なんだよね~

と思っていたのですが、期待を良い意味で裏切ってくれました。

主人公はゴーストになった旦那さんなのですが、日本でいうとこの地縛霊です。

全て、地縛霊目線で描かれているのです。

見た目はシーツを被って目のとこだけ黒く、可愛らしいというかシュールな感じです。

最初は、オバQか!

と笑ってしまいますが、どんどん引き込まれてしまいました。

人は皆、愛する誰かを亡くした経験を背負っているわけですから、共感できる部分はあると思います。

賛否両論あるのは、そういった経験の多さとか期間とかが関わってくるのかもしれません。

僕の場合、今年は身内を亡くしたこともあり旬だったのかも

それと、仕事上亡くなる人を見送ることが普通の人よりは多いということも関係あるのかもしれません。

僕は霊感とかないので、何か見えるとか感じるとかそんな経験もないけれど、

ちょっとした不思議だったこと、物音が聞こえたとか気配がしたような気がするとか

まあ、気のせいだよね、と処理してきました。

悲しみも時と共に忘れ、処理できたように思って生きてきたのですが、この映画を観て今までの経験や、霊ってたぶんこんな感じか?と思っていたこと

全て、腑に落ちて自分の中で浄化できたような気がしました。

地縛霊となってこの世に居続けるても、残されて人たちはこの先も人生は続くので普段の生活に戻らなければならないし、

暮らしていた家も、住人は変わって行きいつしか朽ち果てて行く

未来永劫変わらないものなんて何もなく、諸行無常の虚しさの中で存在し続けることの絶望感

宇宙ですらいつかは消えて無くなるという事実に虚無があるのかな。

ラストの一瞬は全ての宗教、死生観を超えて伝わってきます。

何の説明もなく解釈は観る人それぞれに託されるのも良いですね。

最近の映画はいちいち説明し過ぎのような気がするんですよ。

ラストの一瞬に全て凝縮され、その瞬間に涙がこぼれました。

観る前と後では自分の中で何かが変わる、最近では珍しい映画でした。

あらすじ

田舎町の一軒家で暮らす若い夫婦

作曲家のC(ケイシー・アフレック)ほこの家を気に入っているが、妻のM(ルーニー・マーラ)はどこか別の場所へ移りたいと思っているようだ。

幸せな日々を送りながらも、家をめぐってふたりの間には微妙な確執が生まれている。

そんなある日、Cは交通事故により突然命を落としてしまう。

呆然としながらも、病院で夫の死体を確認し、遺体にシーツを被せその場を去るしかないM。

だが、死んだはずのCが突如シーツを被った状態で起き上がる。

まるで当然のように自宅へ戻ってきたCだが、妻は彼の存在に気が付かない。

幽霊となったあとも、悲しみに苦しむ妻を見守り続けるC。

しかしある日、妻は新たな道へ進むため、ふたりで暮らした家を去って行く。

その後、家の住人は何度か入れ替わる。

ヒスパニック系の家族は、何者かが家に住み着いていることに気づき、怯えた顔を見せる。

次にやって来た、パーティー好きの若者たち、夜通し酒を飲む彼等の中で、ひとり神の存在について淡々と語る男がいる。

それら全てをCはじっと見守り続ける。

やがてCは気づく、この先何十年、何百年も永遠にこの場所に縛り続けるのだと。

時空から外れてしまった彼は、変わり続ける世の中を見守ることしかできない。

Cは絶望に暮れるが、時空を超えて新しい旅へと出発する。

ポイント

時間軸が行ったり来たりしますが、違和感ありませんでした。

僅か92分で壮大な時空の旅ができた感覚です。

この映画の画面サイズ、普通の映画と違うんです。

ほぼ正方形のサイズでアスペクト比1.33:1になっています。

これは、昔のサイレント映画の比率で古風な感じを引き出しています。

映像も綺麗でサイズ的にインスタ映えします。

個人的には子供の頃父親が見せてくれたスライドを思い出しました。

セリフが殆どない分、音が重要な要素を持っています。

Cが作った曲が実は、西部時代の少女が口ずさんでいた歌からインスパイアされたものだったりします。

音楽の発想とかも、時空を超え繋がっていたり

音楽を演っている自分には、ある話かもと思いました。

Cが作った曲、結構な自信作を奥さんのMに聴かせるシーンがあるのですがMは無反応・・・

これねー、あるんですよ。僕なんかしょっちゅうある(汗)幽霊よりあの無反応の方が怖いですよ。

サントラ買おうかなーと今考えています。

見終わってからも、この映画のことを思い出すことがあります。

自分の中で死生観などが、整理できたような気がしています。

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