うろつくブルーズとは何者か?強く生きるためのブルーズ

ども、サニータジマです。

素朴な疑問として、ブルースってそもそも何?

と思ったので、その辺のことを考えて見たいと思います。

ブルース?ブルーズ?

ブルースという言葉は、なんだかとてもかっこいい響きです。

日本にも昭和歌謡で「赤と黒のブルース」「柳ヶ瀬ブルース」「伊勢佐木町ブルース」「横浜ホンキートンクブルース」など多くのブルース歌謡があります。

歌謡ブルースのブルースは、「哀しいな気持ち」「哀愁」といった感じでしょうか。

哀愁漂うメローなメロディや歌詞は、日本人の琴線に触れかっこいいと思います。

アメリカのブルースとなると、ちょっとニュアンスが変わってくる感じがします。

「ブルース」は発音的には、濁音の付く「ブルーズ」ですね。

ブルーズは夜に合う音楽のように思いますが、歌詞の中では朝がよく出て来ます。

擬人化された「ブルーズ」が朝ドアを叩く、ベッドの周りをうろつき回る。

Preachin’ Blues

今朝起きたら

あーブルーズが歩いて来た、人間のように

今朝起きたら

あーブルーズが歩いて来た、人間のように

悩み多きブルーズよ、右手を出してみろよ

 

Traditional Blues

今朝眼が覚めると 

ブルースがベッドの周りを うろついてたんだ

ああ、ベッドの周りをウロウロしてた

朝飯を食おうとしたら ブルーズがパンにべったりよ

なぜブルーズは朝やって来るのか?

これって、今でいう鬱のことなんじゃないかな?

鬱病は現代ではメジャーな病気と言うと変ですが

よく聞く病気ですね。

私も鬱になったことがあります。

その時のことを思い出すと、ブルーズが私の周りをうろついていたように思います。

仕事のストレスが強烈で、食欲もなくなり、夜もなかなか眠れない。

朝は、絶望的な気分で最悪でした。

身体は怠く、頭は重く

もう、何もかも終わりのような気分です。

ところが夕方になると、ケロッとして元気になるんですよ。

「なーんだ、これなら明日からは大丈夫じゃん」

と思うのですが

次の朝もブルーズがうろついて、最悪な気分です。

もうダメだと、医者に行ったとき「典型的な鬱の症状ですね」と言われました。

今では、なんともないんですが思い返せば、あいつが“ブルーズ”だったように思います。

ブルーズの治療

私が鬱だった頃やったのが、

その時の出来事や感情などなんでも良いから、紙に書き出すという事でした。

紙に殴り書きで、その日あった事とバカヤロー、ふざけんじゃねーとかバーっと書いていました。

人間は、気持ちを形にしてししまうと落ち着くんですよ。

ただ頭の中で考えていると、何時間も同じ思考を繰り返しているだけですが

形にするとスッキリします。

時間は5分もかかりません。

ブルーズマンたちも同じ事をしていたのじゃないかと思います。

奴隷制度が廃止になってからも、黒人たちの過酷な状況は続いていました。

男性の仕事は安い給料で、命が危険に晒されてるような仕事しかありませんでしたし

200年以上奴隷として、酷いしうちを受けてきた彼等は

何かを頑張ろうという気になれないし

朝は悪魔がうろつき廻って起きられない。

そんなブルーズマンたちは、憐れな自分を歌にして笑い飛ばしていたのではないかと思います。

「憐れな俺様」になって、深刻な鬱状態をされけ出し他人事のように歌ってしまう。

テキサスブルースの重鎮、ライトニン・ホプキンスもインタビューで言っていました。

「生きてりゃ嫌な事だってある。そんなときは2、3曲ブルーズを歌ってれば気も晴れるってもんさ」

もしも、憂鬱で苦しいときは、そんな気持ちをブルーズにして歌えば、ブルーズマンたちの気持ちがわかるかもしれません。

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